我流の幼稚園選び?

つぅ〜な話 西原式育児の実践と検証
子供ができる何年も前に読んだ本。
「日本の子供の自尊感情はなぜ低いのか」古荘純一著。
子供産む前は本が大好きで、なんでも読みました、私。小説以外。
今は、そんなヒマねえけどな〜。
この本はとても面白かったので、処分しないで取っておいたのだけど。

著者は、日本の子供の自尊感情は低さを徹底して調べ、教育システムや親の自尊感情の低さなど様々な観点からアプローチしております。
私としては、戦争に負けた、という日本人のアイデンティティの崩壊が決定的に影響しているということも付け加えて欲しい。
正しかろうが悪かろうが、神国・日本を掲げた昔の日本人の自尊感情は高かったに違いない。
現代でも、選民思想の強い国民性の人達は、自尊感情が強い傾向にあると思います。

自尊感情。私もとても低いので、よくわかります。
ほめられた経験がほとんどないので、なにをどれだけやっても自分に自信が持てない。
自尊感情が低いと、例えばたくさんの思い出の中で嫌な思い出しか覚えていなかったり。そうするといつまでも親を責めてたり。
他者からの攻撃に弱かったり、99の成功例があっても1の失敗が許せないほど神経質だったり。
こういう状態は思考が停止しますから、情報に左右されやすく、発想力などが養われにくい。
日本人の一般的な特徴にとてもよく当てはまると思います。
自尊感情が高い、ということは、逆境に強い、ということがいえます。
教育の目的で一番必要な、「どんな環境でも生き抜いていけるたくましさ」に直結する問題です。
自尊感情が低い日本人はつまり、逆境に弱く、環境が合わなければたちまち参ってしまう。
ニートや引きこもりが増えている原因といっても過言ではないでしょう。
そうなって欲しくなければ、自分の子供の自尊感情を下げないように育てる配慮が必要です。
高すぎてもいけないんですよ?
自信満々で人の忠告を聞かない人。ほらほら、思い当たりません?
高すぎず、低すぎず、自尊感情を適切に保つことが、豊かな人生を謳歌するカギになるように思います。

この適切な自尊感情を養うのに最も大切な時期が、幼児教育の時期に当たるんではないかと思うのです。
だから、極端に言えば、どんな教育法だろうと、子供の自尊感情が適切に育てばいいということになります。
そしてそれは、子供の個性によって違う。
たくさんある幼稚園から、自分の子供に合った幼稚園を選ぶひとつのヒントになると思います。
もし自分の子供が、大勢の中でワイワイ揉まれたほうが自尊感情が適切に保てると思うのならそういう幼稚園を選べばいいし、うちの子地味だし先生に声もかけてもらえないんじゃ萎縮しちゃうわと思うならやめればいい。
英才教育でバリバリやったほうが保てると思えばそういう幼稚園を選べばいいし。(たいてい難しいと思いますが。)
うちの子は家の中で遊んでばっかりだから自然で鍛えたほうが良いと親が思っても、かえってそれが自尊感情を下げちゃう子だっていると思うし。
好きなことを好きなときにやれるモンテッソーリやシュタイナーは、自尊感情を適切に保ちやすい、と言えるかもしれませんが、日本の一般的な公立小学校に入った時に、自尊感情を保つことが難しい子も出てくることは想像に難くないでしょう。

ここまで色々文句たれて、じゃあオマエはどんな幼稚園を選ぶのさ、と、気になりますねえお客さんパー

私がね、だいっきらいだったんですよ、幼稚園(途中から保育園だったけど、コレも大嫌い)。
ものすごく普通の幼稚園(保育園)だったけど、食が細いのに無理やり食べさせられたり、園舎も暗くて寒くて泣いてばかりで、もう今の自尊感情の低さに直結してんの。
友達なんか、仏教系の幼稚園だったとかで、座禅なんかさせられて、棒で喝を入れられたとか、幼稚園生にそれする目的がそもそも分からないむかっ
私は、幼稚園は、できるだけ楽しい思い出があればそれでいいんじゃないかなと。
何かが特にできるようになる必要はないかなと思ってます。
文字も数字も生活の智恵も、興味を持てば自然に覚えていくものでしょうし。
あれこれ英才教育でつめこむよりは、家で囲碁でも遊ばせたほうが何十倍もアタマを使うし。
(余談ですが、この時期は考え方の「癖」を決める大事な時期。この頃に暗記などの丸覚えを教え込むと、即レスばかり求め、原因や成り立ちを考える癖がつかなくなるように思います。囲碁のような、何手も先を読んで戦略を考えるような遊びは、良い考えの癖をつける秀逸な遊びといえます。)

というわけで、私は今のところ、「バス幼稚園」をロックオンしています。
あのね、園舎がないの。
バスに乗って、お弁当持って、毎日色んな場所や公園に行って遊ぶんです。それだけ。
毎日が遠足みたいなもの。
雨の日に活動する場も最近できたばかりで。(それまでは雨の日は公民館だった。)
定員も、一台のバスに乗れるだけ。だから少人数です。
先日、体験説明会へ行ってきました。
園長から「借り物」の言葉が少しでも出たら切ってやろう、と思ってたのですけど。
しっかり自分の考えで、いいところも悪いところも言える人でした。
自分で運営している幼稚園ですもんね、雇われ園長とは違って当たり前かな。
自然で遊ばせているようで、実は意外にビビリーだよ、とか。
少人数って、良いように思うけど、こっちも見えすぎるし、問題が起きた時に逃げ場がないんだよ、とか。
現実社会の人間関係はもっと逃げ場がないから、私はそれでいいと思うけど。むしろテレビやゲームに逃げてしまうほうが心配だ。
見学は自由だし、見たい気持ちは分かるけど、見ないほうがいい、とか。
子供には親の知らない面も必要だから。
だからバザーも親の参加する部分もほとんどない…何かしてくれたい気持ちはわかるけど、完全に任せてくれ、という姿勢。
連絡帳もないし、行事も自然発生的…ビデオカメラに収めるような運動会は期待しないでくれ、と言われた。
クラスも縦割り。あの状態(一緒くたに遊んでいる状態)でいつクラスが必要になるんだろう?と不思議なんだけど。
発達の早い子も遅い子も、きちんとその子と同じ目線で追っているのが印象的でした。
そして何より、先生達が本当に楽しそうに子供達と遊んでいるんですよね、全力で。
実際、先生方が、「私が一番楽しませてもらってるんです」と言われます。
だから父兄には、元幼稚園の先生、という人が結構いるんです。こういうのが理想だったの、って。
先生が心から楽しんでいれば、子供にも「人生って楽しい」というメッセージが伝わりやすい、=良い自尊感情が育ちやすいんじゃないかなあ。
子供は敏感ですから、先生側に「やらされてる感」「やってらんねえ感」があると、すぐ感じ取ってしまうと思うんですよね。
先生だって子供が好きで選んだ職業でしょうから、それが遺憾なく発揮できる場、というのは、やっぱり状態を良く保ちやすいでしょう。
この時期に、親以外の「信頼できる大人」に出会えるというのは、すごく大切なこと。
その可能性がとても高くなるという点において、少人数というのはやっぱりいいなあ、と思いました。

正直、ウチの息子はどんな環境でも対応できちゃうと思うんで、悩み甲斐がない人だと思います。
あえて言えば、怖いもの知らずなので、ともすると自尊感情が高すぎる方に振れる恐れがあるかな。
だから大人数で目の届かないところに突っ込むと、ジャイアン気質にますます拍車がかかるかもガーン
こういうところで鼻っ柱を叩いてもらっておいたほうがいいような気がするパー
そして「信頼できる大人」に出会って欲しい。

この幼稚園が息子にとって良いかそうでないかはまだわからないし、まだまだこれからもアンテナは張っていくつもりです。
でも、毎日が遠足って、やっぱり楽しそう!
私が入りたかったな〜!!
子供時代のやり直しって、できないのよね。
子供は自分で環境を選べないし。
やっぱり今しっかり選んでやるのは、その子の人生にとってとても大切なことなんですねえ。